UX Days Tokyo 2016 振り返り

UX Days Tokyo 2016 に参加してきました。
気づいたことをメモします。

日時・場所

2016/03/18
@コングレスクエア日本橋:コンベンションホール 

f:id:thirose0726:20160320010249j:plain

プレゼン内容メモ

「拙いメモ」且つ「自己解釈」を大量に含みますが、よろしければ。

UX DAYS TOKYO 2016「16年の UX ワークから学ぶ16のレッスン」 - nan3’s blog

UX DAYS TOKYO 2016「混乱をどのように整理するか?」 - nan3’s blog

UX DAYS TOKYO 2016「「商品のストーリーボード化」 - nan3’s blog

UX DAYS TOKYO 2016「5日でプロトタイプと試作品を設計する方法」 - nan3’s blog

UX DAYS TOKYO 2016「SFにおける ”弱いAI:ANI" と新しい試み」 - nan3’s blog

 

Jesse James Garrett氏「16年のUXワークから学ぶ16のレッスン」

・ジェネラリストとして活動したからこそ、多くの気づきが得た
・大事なのはチームワーク

とおっしゃる Jesse さんのお話はどれも共感できるものでした。


プレゼンメモに 16 の内容を全て載せましたが、特に気になったのだけご紹介。


# 4. Go Father than you think you should

自分の領域のリミッターを外す。イノベーションを起こすには、時に非合理的な行動が必要とのことでした。

# 8. But as curious about your clients as you are about your users

「クライアントはデザインについて何も答えをもっていない」ではなくて、もっとクライアントに興味を持とうと。非デザイナーとデザイナーで争ってはいけない。 

# 14. Pay attention your failure

失敗についての姿勢についての話。「学ぶ」だけじゃ足りなくて、「この失敗は自分にどのようなメッセージを送っているのか」について深く考える。振り返りが嫌いな自分には耳が痛い話でした。

 

Abby Covert 氏「混乱をどのように整理するか?」

f:id:thirose0726:20160320010358j:plain

 

大好きな IA の話。


#「共通言語」で会話する重要性

誤解を招きやすい言語 (semantic dragon)が組織の生産性を落とすという話。「社内の共通言語を作る」、「NGワードを作る」という企業向けコンサルティングもあるのですね。私の社内でも、誤解を招きやすいワードが時折飛び交っているので、controlled vocabulary 意識してみます。


# IA は「正しい整理」ではなく「合理的な整理」の専門家である

絶対的な「整理」は存在せず、「ゴール」によって、「整理方法」が決まるというお話でした。

 

 

Kevin Cheng 氏「どうやって商品をストーリーボードにのせるのか」

f:id:thirose0726:20160320010445j:plain


ストーリーボードの重要性を、「漫画」を例にとって分かりやすく説明してくださいました。

 

  • コマ割りにより、「時間の広がり」「動き」を表現
  • 表情で、「文字」の効果をあげる

 

という効果を、

 

  • 動画よりも短時間

 

で実現できるのは効果的ですね。

 

---

「ホテルについてから」ではなくて「ホテルにつくまでの友人との楽しい時」を漫画で表現することにより、
ユーザの共感を得る。

「なぜ我々がここにいる必要があるか」を漫画で説明
---

等の事例も、内部の人の苦悩が伝わってくるような、具体的でわかりやすい内容でした。


Daniel Burka 氏「スプリント:5日間で試作品を作り製品テストをする方法」

f:id:thirose0726:20160320010708j:plain

  1. 最善な仮説
  2. 開発
  3. 検証

という流れには、

  1. 常に最善であることは難しい
  2. 開発には時間がかかる
  3. 売ってしまってから「やっぱり無しよ」はできない

というリスクがあるということについて警鐘を鳴らされたあとに、google sprint の実践方法についてお話しされました。

  • exective も巻き込む
  • 短期決戦
  • ユーザインタビューを必ず実施
  • 推測、仮説はガンガン捨てる勇気

等が必要とのことでした。


一方、四半期に1回くらいが限度で、それ以上やると疲弊しちゃうとのこと。


懇親会でお話しをさせていただきました。プレゼンでは早口でクールな印象でしたが、懇親会ではとてもフレンドリーで、アウトドアスポーツをたしなむ紳士でした。

 

Chris Noessel 氏「SFにおける「弱いAI:ANI」と新しい試み」

f:id:thirose0726:20160320010742j:plain


正解を導きだすには「正しいドメインモデルを定義する」ことが必要であり、ここでは AI を例にとって、

  • どれが AI か
  • どのような種類の AI か

ということについて、考えてみようという問いかけでした。

 

AI がどのように表現・評価されているかということについて、SF映画を例にとった考察をご説明頂きました。

 

SF映画の説明において、Chris さんの映画オタクぶりが徐々に聴衆を引き込んでいました。

 

映画を紹介しながら、時折、感極まっていらっしゃるのが印象的でした。

 

AI には、

---

1. General AI (汎用 AI )

人間のように考え、進化できる

2. Narrow AI (狭い領域における AI)

一つのドメインにおいて、知覚・行動できる
---

 

という二種類があり、主に「Narrow AI」についての説明でした。例えば、

  • やかん
  • ポット

等「機能する」と思ったものは、AI じゃなくて「物」として見てしまう。

 

他方で、SF映画上で、

  • 正解を知っているのに教えてくれない
  • 人間に危害を与えてしまうもの

等、人間にとって「融通が利かないもの」は、未成熟ゆえに「AIだ」と人間は認知してしまう。といった内容でした。 

 f:id:thirose0726:20160320010825j:plain

f:id:thirose0726:20160320010858j:plain

カンファレンスの総括

 

  • 質の高いプレゼンが多く、プレゼンターの情熱も高かった。
  • 運営スタッフの方が通訳をしてくださり、プレゼンターと長く会話することができた。
  • 宣伝も控えめで、ストレスがなかった。


その他気づき

「違和感に気づく」能力が薄まらない為の取り組みをしよう

「目の前の課題」との距離を、意識的に近づけたり、遠ざけたりすることが重要。


「改善策」を実現するために、擁護者を探そう。

・「デザイナ」対「社長」
・「デザイナ」対「会社」

というように、極端な対立構図を作ってしまいがち。

 

必要なデザインプロセスを考え、常日頃から、社内に発信し、仲間を作ることが必要。

 

また、最後の QA セッションでの『「デザイン」という言葉を使うことでデザイナが孤立する』という話が印象に残った。

 

自分たちの専門性を協調してしまうような言葉を使わずに、周りを巻き込むということも意識してみたい。

 

「大事なこと」を何度も口に出そう


「デザイナー業務における課題」「プロダクトマネジメントにおける課題」も抽象度をあげると Jesse 氏のプレゼンで離されたような「原理原則」にたどり着く

 

「原理原則」を自分にリマインドするには、定期的に書籍を読みなおすこと以外にも、人と話して「○○ってやっぱり大切ですね。」と声に出すことも有効に思う。

 

 

カンファレンス後に購入した本

プレゼンの中で紹介された本や、懇親会でお話しさせていただいた方から紹介いただいた本です。それぞれ勉強しまーす。

 

Amazon.co.jp: ユーザーストーリーマッピング: Jeff Patton, 川口 恭伸, 長尾 高弘: 本

Amazon.co.jp: アジャイル・ユーザビリティ ―ユーザエクスペリエンスのためのDIYテスティング―: 樽本 徹也: 本

今日からはじめる情報設計 -センスメイキングするための7ステップ : アビー・コバート, 長谷川敦士, 安藤 幸央 : 本 : Amazon.co.jp