UX Days Tokyo 2016「混乱をどのように整理するか?」

 

カンファレンス概要
http://2016.uxdaystokyo.com/conference/

 

プレゼン内容メモ
※ 誤記多いにあると思います。ご容赦ください。

 

11:40-12:30
Abby Convert
「混乱をどのように整理するか?」

I love making sense of meses

私達の世界は混乱だらけ。
明日はさらに課題が増えている ex. 近所の窓ガラスが割れた

 

Thinking About Information

「情報」を「素材」として捉えることが大事
物理的なものだけが「素材」ではない

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例:パンケーキ屋でクッキーが並んでいる写真。片方は残り1個、もう片方は沢山積まれている

・片方が人気のようだ
・片方は焼きたてだ

など、「多分こうだろう」と人は推測する

脳に空間(分からないことがある)ができる状態を人は嫌う
人によって「理解」は異なるものだ。
個人は情報を知覚する。

Information (知覚した情報) ≒ Contents (事実)
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パーツを並べて理解しやすい情報を作るのが、IA

 

Language Matters (言語が重要)

人は、同じことについて、沢山の言い方をする。
そして、いつしか「違うことを言っている」と勘違いしてしまう。

皆さんの会社でどのくらいの言葉が飛び交っている?
・名詞
・目的語
・ラベリングしていること


一方では edit 一方では modify とか


いくつかの言い方をするのが駄目なわけではない。全て簡素化することを推奨しているわけでもない。

何かを変更するときに「ラベルの変更」なの「モデルの変更」なのかわからなくなるのは問題

共通言語があれば共通認識が早い。


そんな時は「コントロールボキャブラリ」が便利

とても地味なもの。
組織の中での言葉の定義を決める
逆の発想で、「誤解を招きやすい言ったら駄目な言葉 (semantic dragon)」を決めることも大事
アメリカの連邦組織でも実践している。

言葉というのは常に存在していて、野放しにしていると semantic dragon にやられてしまう。
「必要ないのでは?」と思われるが、コントロールボキャブラリは効果的であり、今まで納品したクライアントは多いに喜んだ。

 

There is no right Way

 

私は正しいやり方で整理する専門家ではない。
「合理的」なやり方で整理する専門家である。

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例:八百屋の web サイトの案件

もっと売るのが目的
どう整理するのが良いか。

進める中で、ユーザは「果物であるものを、野菜と認識している」ことに気づいた。

結果として「ユーザの頭の中の分類」を優先し、野菜を分類した。

もし、科学を優先して、「果物」と整理したら、誰もたどり着かず、ビジネスは成功しなかっただろう。

一方、「植物を正確に分類する」ことがゴールのサイトであれば、「果物」と分類するべきだ。

「ゴール」を理解した上で、「整理方法」を決めるのが大事

「○○を買わせる」「○○を科学的に理解させる」のは全然違う
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AI の世界で、企業がよく陥りやすい「Corporate Underpants (企業のパンツ)」という罠がある。


例えば、企業の HP の中に、組織図を描くとする。
その時、企業はユーザの理解ではなく、自社の組織に基づいて整理をしてしまうものである。それは時にユーザにとって分かりにくい。

「自分達の頭の中の組織図」から離れられないのである。


そのような際、企業を説得させるのは難しい。
デザイナーがやるべきことは、今までの整理案を手離すために「代替案の提示」である。

また、「Card Sorting」は効果的な分類を助ける
コンテンツごとにカードを作る。

We Need Picture

指差す図がないと結論はでない。
図解すれば一発で分かるものを、何ヶ月も考えてしまうことがある。
図は、共通認識ができる。同じ文脈を考えていることが分かる。

解決策としてのワイヤーフレームを書くのではなく、「解決すべき問題」を図解する。


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事例:Nike の生産管理を助けるシステム構築 pjt

何ヶ月もヒアリングを重ねた。
正しい質問をして、複雑な状況を把握した。
単純にして全組織の人が理解できるようにした。「単純にする」ことは難しいことだ。


今度は、関係者に「簡単だからシステムも簡単なもので十分だ」という誤解を与えた。

そして、再度図を書き直した。「とても難しいことをしているのだ。色んなことを同時進行しているのだ」と分かるような現実に即した図にした。
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Be careful of Reductionism

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事例:ピザのトッピング指示を記載したあいまいな図

この書き方じゃ「トマトソース」や「チーズ」をどこにのせるかハッキリしない。
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ワイヤーフレームも一緒。ワイヤーフレームだけじゃ理解できないこともある。
結果だけじゃなくてプロセスを見せるのが大事。

「解決策」を色んな人に図解させたとすると、人によって全然図は変わるはずである。
「解決策」を図解して、コンセンサスを取れたとしても、「後から変わる」と思った方がいい。

 

まとめ

合意を取ることの重要性について話した。
大事なことは以下。

1. Simplify the language used in your organization
2. Show an alternative way of organizing someting
3. Make a picture of the monster in everyone's head


IA はスペシャリストがやらないといけないわけじゃない。
みんながやることである。
世界をクリアな状況にしたいので、AI を広めて欲しい。
AI についての重要なレッスンを学べば理解が広まる。

著書
http://www.amazon.co.jp/dp/4802510012

 

 

QA

Q : どのように組織の人間を巻き込めばよいか

意見を聞き入れてくれない場合は、「1対1」の場をもって話すのが有効


Q:コントロールボキャブラリについて、どのように Exective を巻き込めばよいか

・メール
・口頭
・パワーポイント

だけでは駄目。

わかりやすくしつける。自分の場合は、Exective が semantic dragon を発したら、笛を吹いて怒っていた。

 

Q: 時間の制限がある中での説得はどのようにすれば良い?

問題を明確にしてあげる
ロードマップを敷いて、得られる効果を見せる。