UX Days Tokyo 2016「5日でプロトタイプと試作品を設計する方法」

プレゼン内容メモ
※ 誤記多いにあると思います。ご容赦ください。

 

14:30-15:20
Daniel Burka
「5日でプロトタイプと試作品を設計する方法」


Google Ventures のプロダクトデザイナー
幅広い規模の企業に投資しており、投資先企業のデザインをしている。

デザインの位置づけについて

1年半前にイギリスの企業家とランチをした。
「デザインとは何か」という問いに対して、緊張した面持ちで、

ブランディングにおいて重要である。
・製品は美しいデザインであるべき

という答えが返ってきた。一方で、「ビジネスパートナーとして何に向き合っているか」という問いに対しては?

事業上の課題
・新しい機能が顧客に届くか
・組織の課題

などがあがってきた。

「デザインが、今抱えている重要事項に対して意味を持つ」ということを伝えると顔色を変えた。

Design Sprint の必要性


デザインの発言権は少しずつ上がってきているが、

1. 最善の仮説を立てる
2. 構築する
3. 検証する

というプロセスにはリスクがある(同時にチャンスもある)

1. → 「最善」の仮説を立てるのは大変
2. → 開発には時間がかかる
3. → 発売してしまうと中止は難しい


Design Sprint 事例


Google Ventures では、 Design Sprint を実施している。

Savioke社
http://www.savioke.com/
課題:ピーク時間にはサービスレベルが低下する
解決策:ロボット (Relay) がタオルを配膳


適任者を選ぶ

・デザイナー
・エンジニア
・CEO
・ロボット専門家
・COO

時間の制約を設ける

以下により良いプレッシャーが生まれる
・締め切りは2-3週間後
・1週間ごとに成果物を出す


金曜日にユーザインタビューを実施する


・ホテル生活に慣れすぎているユーザ(ex. 週1でホテルを使う)
・ターゲットにならないユーザ(ex, ホテルを使わない)

などは外す。

漫画でプロセスを示す

チャンスもあると同時にリスクもあることが明らかになった。

ロボットの振る舞いはどうあるべきか?
世間のロボットのイメージは、ウォーリー (pixer) のような洗練されたものであろう。

期待値を下げておく必要が有るかも知れない。


タオルを届けた時の振る舞いを考える

・顔は?
・音は?
・話せるようにする?
・ダンスできる?
etc.

ブレストは、意見の強い人に引っ張られるためしない。
1人1人にソリューションを考え、スケッチしてもらい、全員で投票する。
組織の意思決定者には投票に重みをつけた。

3週間後のリリースを目指す上で、ダンスのような大きな機能 (feature) をつけるのは一般的にはリスクである。

プロトタイプ作成

制作時間は 8h

ツールを駆使して、モニターに投影する紙芝居をつくる

keynote
・flint
・InVision

クオリティは、紙とモックアップの中間
サウンドエンジニアは音響を作る
デザイナはインタラクションを作る
モニタのコントロールを、PSのコントローラーで遠方から出来るようにした。
1周回る程度の簡単なダンスも簡易的にプロトに入れた。

research (ユーザインタビュー)

ロボットを全員が好評価

一方で以下の問題もわかった
・名前がないので「呼べない」
・UI がゆっくりすぎる

「ダンス」についても、短期間で価値があることがわかった。

ユーザインタビューにおいては、「試作機です」と渡すのではなく、「完成品」と思って触ってもらうほうが有益なフィードバックが得られる。


最後に

Design Sprint で重要な点は以下である。

・適任者の選定
・期限を決める
・早く research する
・推測や仮説をどんどん捨てる


QA

Q:
デザイン投票は「デザイン性が高い」「実用性はないが面白い」ものに投票が集まってしまわないか?

A:
そういう時もある。

・悪いアイデアでも施策してみる
複数の施策を作ってみる

というのが解決策の一つかも知れない。

Q:
自社で sprint を実施している。メンバーが疲弊しないよう気をつけるべきことはあるか

A:
変な時間に働かない。
適切なものに時間を使う。
プロト作成に時間を使わない
sprints は、多くても 2,3ヶ月に1回。四半期に1回程度


Q: 
design sprint をどのように自社に適用すればよいか?

A:

四半期に1回、尤も重要な問題を sprint の対象にする。
sprint は短期間で「方向付けする」ものと考えればよい。


Q:
時に1日で desgin sprint を実施するような workshop もあるが、時間が短いものは効果あるのか?

A:
悪くはないが、発見は少ないであろう。

ユーザリサーチをする時間がなくなるので、自分たちの想像で進めることになる。
きちんと1日ユーザヒアリングに時間をかけることで、多くの発見を得ることができる。
思いつきをプロトにしてもうまくいかない時がおおい。

きちんと立ち止まって問題を深くみることが重要。